その1では自分の変化、その2では周りを変化させたお話をした。
今回は、会社を変化させるきっかけのお話をしたい。
2006年、自分は弊社の専務取締役をしていた。
建設業が、バブルの崩壊、小泉改革で、公共事業費の低下から、業績がドンドン悪化していた時期である。
何か対策を練らなければ、生き残れない。
他社をみても、異業種に進出したり、リフォームなどの別の事業展開をしたりといろいろ仕掛けている。
しかし自分は、他社がやっている内容に、決定打はないと思っていた。
事実弊社も、新しい事業に取り組むべく、他社と事業提携などをして営業種目を拡大することもやって見た。
結果はここでは書かないが、タイムリーでなかったことは間違いない。
自分としては、本業の立て直しで、どうにかこの苦境を乗り越えたい。
なぜか?
理由の一つは、異業種に出るにしてもそんなノウハウはない。
ノウハウを身につけるにも時間がない。
もうひとつは、本業にはまだまだ未知の可能性があると思っていた。
事実、数十年に渡り社内的に何の改革もすることなく今まできている。
非効率なことがあちこちにあるはずである。
それを整理するだけでも、売り上げはあげることができなくても、利益は出せるはずである。
そんなことを考えていた。
では何をすればいいのか?
一つは社内改革、システムの再構築である。
抜本的に無駄を省いて効率的にシステムを動かさなければならない。
ある意味、建設業の受注から引き渡しまでのプロセスを一新するくらいの覚悟で望めば、新しいものが見えてくるはずだ。
もう一つは、公共事業中心の営業体制を民間中心にシフトすること
こう書いてみると、方向性も明確で、進めるだけで済むように見えるが、ここからがいばらの道であった。
公共事業の営業しかしたことがない自分にすぐ民間営業なんかできるはずがない。
民間営業に長けた人にきてもらうしかないのだ。
システムの効率化もなかなかうまく進まない。社員達が今まで慣れ親しんできたシステムから意識を変えるという変化を嫌う
方向性は決まっているのに、ぜんぜん前進しない。
自分自身も営業の壁を突破できずにいる。
そして、1年後に社長の就任が決まった。
より複雑な気持ちになった。
どうすればいいのだ。
そして一つの考えが頭をよぎる。
社長になった途端に、会社を精算する。
ダラダラ改革ができずに消えて行くぐらいなら、はっきりと答えを出した方がいい。
実はそこまで追い込まれていた。
ところがである。
社長就任を3ヶ月後に控えた時、一人の人物が現れた。
社長(先代)が、民間営業できる人を探していたのだ。
そういえば、1年くらい前に探して欲しいと依頼していたことに気づく。
時間はかかったが、そん人物が現れた。
今の専務である。
当然、前から知った人物であったために、「いける!」と確信する。
何の根拠もない。
でも、一人の人物が現れただけで自信が湧いてきた。
そしてほぼ同じ時をしてもう一人の人物に出会う。
K氏である。
彼は、建設業の工程管理を抜本的に改革する手法を教えてくれた。
自分は即それに飛びついた。
これだったら、簡単だ!
技術者たちも負担感なく取り組んでくれるのではないか!?
そして社長に就任する。
半年前の自分はもうとっくに忘れていた。
就任した時は、できる!絶対勝ち組に残れると自身に満ち溢れていた。
そしてその出会いが、自分を劇的に変えて行く。
人との出会いが唯一の学びであり、成功を収める一番の近道と信じてる自分にとって、こんなチャンスを逃すてはない。
どこまでもやってやる。
K氏を通じて、今までにはない人達はの付き合いが始まる。
全国の同業他社の前向きな社長たちとの交流がスタートした。
何を今まで井の中の蛙で悩んでいたんだ?
ここにくればすべて解決したではないか!と思えるくらいの人材の宝庫である。
そして、全国に僕の名前が広がっていく。
人の力、人の繋がり、自分の意思の強さ、それぞれが絡み合って今の自分がいる。
当然、責任も増大する。
しかしそれを今は楽しんでいる。
社長就任の時には、今、自分が置かれているポジションなんて想像できなかった。
しかし自分は、出会いはチャンスだということを頑なに信じ頑張ってきた成果が今の自分だ。
そして、その輪は、今、従業員にも広げている。
昨年あたりから、自分の出張にいろんな社員を帯同させている。
自分が経験してきたことを、口で伝えるより、実際に経験させたほうがよりリアルに伝わる。
そしてその社員たちも劇的に変化を表し出した。責任感が出てきたのだ。
やはりこれも、人との出会いが導いたものである。
おかげで今では、自身に満ち溢れた社内に変わったと自負している。
さて、これからだ。これからが本格的な手法(手段)を使って、建設業という王道の中心でオンリーワンの会社を目指す。
これから先も、人との出会いは自分に変化を起こさせる最大のチャンスを信じ、そのチャンスを決して逃すことのないよう成長を続けたい。
実践編 完
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