2013年4月7日日曜日

ペンドクター  人間の思い込みのお話

ペンドクター 万年筆を使われてる人たちは知っていると思う。

万年筆の微調整などをしてくれる人のことである。

最近万年筆を使い出した新米がいうことではないが、万年筆はほんのチョットした微調整で劇的に書き味が変わるという。

当然すべての万年筆に共通の調整をするのではない。

使い手一人ひとりの癖にあった調整をしてくれるのだ。

その人の癖を見抜き、ペン先にヤスリを充てる。

自分はまだ経験は無いが劇的に変化があるらしい。

微調整してもらった人は、その書きやすさに感動するらしい。(経験もないのにブログに書くなという声が聞こえてきそう)


ただ僕がここで書きたいのはそんな話じゃない。


ペンドクターに言わせると、全く調整する必要のないペンもたまにあるという。

ただそのペンの持ち主は、書きにくいと感じている。

こんな時、あなたならどうする?

普通であれば、「このペンは調整しなくても最高の状態で大丈夫ですよ」と言ってしまいまいそうだ。

でも、書き味が悪いと感じている持ち主に、「これ以上、良くはならない」と言っているのと一緒になってしまう。

そうするとその持ち主は、その万年筆を徐々に使わなくなってしまう。

そこで、このペンドクターは、ヤスリを充てるポーズだけで削りはしないらしい。

そして「如何ですか?」と客に確認させるらしい

客は、「おー!格段に書き味が良くなった」と感動してくれるという。

決して客を騙してるわけではない。

ペンドクターのカリスマ性が、使用者の「ペンドクターが触れば、書き味が良くなる」という暗黙の思い込みを、うまく逆手に利用して、持ち主を納得させている。

喜んで持ち主は帰り、その万年筆を使い続けてくれるという。

人間の思い込みというのは、良くも悪くも不思議なもんですなぁ。

あーーちなみにこのペンドクター、これで代金はとっておられませんから、お間違えのないように・・・





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